連載:シベリアの異邦人~ポーランド孤児と日本~後編、ワルシャワ蜂起編、完結編

シベリアの異邦人~ワルシャワ蜂起編~後編

         ワルシャワゲットー蜂起

 その頃のワルシャワはドイツ軍による支配の中、
混沌と劇的な変革の渦中にあった。
その一番の主人公はワルシャワ在住のユダヤ人の存在だった。
 ドイツ軍のポーランド侵攻直前当時、
ワルシャワにはユダヤ人が37万5000人いた。
実に市内人口の30%を占め、
アメリカニューヨークに次ぐ多さだった。
 ワルシャワ占領直後から、
ユダヤ人封じ込めの政策が検討されていたが、
1940年3月以降市内にチフスが蔓延し始めた。
特にユダヤ人居住地区に。
 同年10月2日正式にユダヤ人評議会に命じ、
ゲットー建設が始まり、11月