連載:シベリアの異邦人~ポーランド孤児と日本~後編、ワルシャワ蜂起編、完結編

シベリアの異邦人~完結編~

         前編

蜂起編でのヨアンナの結婚後の描写と
その後の世界を付け加えると共に、
死後の異なる世界も合わせて本編で加筆したい。




ワルシャワゲットー蜂起鎮圧から
ふさぎ込むヨアンナが、
再び快活さを取り戻すべく通い詰めたフィリプが、
彼女の心を掴み、
愛を獲得することに成功したのが、
1943年7月初めの頃だった。

巷ではまだゲットー蜂起の
逃亡ユダヤ人狩りが終息しておらず、
時折絶望の断末魔の声が市街に轟きわたっていた。
しかしそれも、沈没船の船底で生き残った乗組員が
海の奥底で助けを呼び続けるが如く、
絶望の淵で次第にか細く、