前のお客さんがパンの品定めをしている。
ワタシは小心翼々なタイプなので、店員を前に１０分も２０分もあれこれ迷って他の客に迷惑をかけたくない。京王百貨店に入る前から「カレーパン、ひとつ」と、胸のうちで唱えている。

世の中には心臓の強いおばさんがいるものだ。パンを前にしてあれこれ迷っている。ワタシは直立して、番がくるのを待った。すると、イケメンの店員がワタシに目配せをして、応対しますとのサインを出した。

この日記を読んでいるひとに写真があったら見せたいくらいのハンサム度だ。アルフレッド・ド・ミュッセ（１８００年代の作家、念のため）に言わせれば、「……があ