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「去るのを待つしかない」

「どいて下さ~い」
走って行く方向にまたいる。私はどいてくれると思っているから友好的に言った。

どかなかった。さすがに一㍍程の距離を走り抜けるのは恐怖感がある。

仲間と走る市民の森にはいつも烏の鳴き声がしているが、姿を見ることは殆どなかった。

それが、最近よく地面にいる。仲間は「おはよう」と声を掛けたりしていた。

今は私一人。勝てると思えない。あっ、ザリガニに続いて弱気になっている。

次の周でも地面にいた。しかも二羽。
「どけ!シッシッ!」
私は大声を出した。二羽は飛び立った。烏はこの時期巣を作るので大胆になっているとは聞いていたが。

数日後