連載:運動

「突然警戒音が鳴り響いた」

ちょうど仲間とばらけて、自分のペースで走っていた。急に空の上から不快な警戒音がした。大音量だ。

人の姿を探した。草むらの中に女性が一人いて、草刈りをしている。声を掛けた。女性は音に気付いていないようだった。

「大地震が来ます」
あたり一面に響き渡った。隣は小学校。まだ夏休みには入っていないはず。静かだ。揺れも来ない。

よかった。失敗だとしても大地震など来ない方がいい。

また走り出した。一時間近くで終了。仲間と距離を空けて話した。

コロナの事ばかりだ。医療センターで院内感染だから、市民はよく知っていた。

「あの爺さん、マスクして下さいと言っても