連載:日常1

「ボケ防止にいいらしい」

みんな帰省せずにどこに行くんだろ。確かに家にいれば涼しい。でも。

市内のスパに行った。駐車場はほぼ満車状態だが、中は特に混んでいるとも思えない。

浴室の洗い場もお風呂もガラガラだ。身体を洗ってお風呂に浸かった。

ここにいたのか。お湯に浸かって外を見ると裸が溢れている。だが、煩い感じはしない。みんな所在投げに空を見つめている。よく目が合ってしまう。

みんな美しい。ローマの彫刻を思わせる。若い人ばかりだ。いつもは婆様やオバサマ達の裸を見て、まだまだ、などと安心する。

諦めよう。あの中に入る勇気はない。泡を浴びるか。強い。背中も腰もお腹も。

電車で