縁合ってスタンウエイを弾く事になった。
これは世界でも有数な今まさに最高峰を行くD-274である。
曲はベートーヴェンイヤーでもあるのでそれに肖り後期の「ソナタ」の1楽章を弾く。
この楽器は微音は繊細で何処迄もかそけく囁き、かつ強音
は豪快に奔放に荘厳に舞台いっぱいに鳴るのである。
弾く私ーそのうつわでは無いのは解り切っているが、そんな事は云って居られない。
何人に一人に選ばれた千歳一隅のチャンスである。弘法筆を選ばず、と云うがこのグランドに至っては質が違う。弾きたい々の一言で選ぶのである。
楽器に劇場に失礼にならぬ様取って置きの服装を選ぶ。