温泉語物No.1667 「霊にブルッ」(やや簡単)

 超常現象というのか、この世の中には通常の感覚では理解しがたい不思議なことがごくたまに起こる。幽霊とか火の玉もそのたぐいか。昔の夜は街灯のない真っ暗闇の世界だったから、恐怖感が今とはけた違いに大きかったことだろう。

 私はとんでもない弱虫だから、真夜中に霊に出くわしたら、ブルッと震えてしまうに違いない。「霊にブルッ」なーんちゃって。

 何年か前、「温泉マニアクラブ」の皆さんと下北半島の恐山温泉に行ったことがある。温泉に入っている間に幽霊に遭遇しないかと不安でいっぱいだったが、幸いなことに幽霊は出てこなかった。お湯そのものはごく普通の白濁の硫黄泉だった