枯れ木の枝の網目に空透ける



  お昼に手紙を投函に行く

  湿って心地よい空気の冷えに秋を感じる


 またたきて枯木の中の星は春  松本たかし

 枯れ木の枝の網目に空透ける  アロマ

 午過ぎて枯木の色となりにけり  加藤楸邨

 赤ワイン産地の葡萄まだ枯木  高木晴子 花 季

 大晦日枯れ木色冴え交差点  アロマ

 梯子の先も枯木も天に向き明るし  菖蒲あや 路 地

 雁の棹枯木の上に一文字  高野素十

 裸木ゆえ風にも日にも光るなり  宇咲冬男

 公孫樹の幹銀色に冬の硝子障子 アロマ

 子等去れば枯木も影を失へる  阿部みどり女

 天と地をつなぐ枯木と