紅茶淹れ銀器の音の冴え返る



 山陰や魚氷に上る風のいろ  原 裕

 魚は氷に上り鳴り出すオルゴール  吉田鴻司

 氷に穴開け公魚を釣る  アロマ

 魚の氷に上るや天下春の風  菅原師竹

 冴え返る沓音高しお水取  石井桐陰

 冴返りつゝ雨降る日風吹く日  星野立子

 冴え返る物音宵闇に鳴る  アロマ

 沖潮はシャガールの蒼冴返る  伊藤京子

 冴え返る風に色なす春の野に  アロマ

 校正の朱を八方へ冴返る  福永耕二

 真青な木賊の色や冴返る  漱石

 牡蠣割りのとばす牡蠣殻冴えかへる  細見綾子

 物置けばすぐ影添ひて冴返る  大野林火

 酢牡蠣を