連載:妄想爺やの喜怒哀楽1

自分の空間がある人 ない人

妄想爺やの喜怒哀楽65


冬になると、寺の行事に、火渡りなるものがある

地に細い道のように、煙が燻る炭を敷きしめた上を、裸足で歩く儀式だ

災いを払い、心願成就を祈願するものだ

天狗のような出で立ちの修験道の山伏が、執り行い、一般人も参加できたりもする


火渡りの前に、燃えさかる薪や護摩木の前で、山伏が祈祷する

山伏が座して祈祷する場が結界だ

地に立てた4本の木の四隅を一周りするように張られた縄の内の空間が結界になる

いわゆる、邪気を払う場だ

まあ、結界とまではいかなくとも、日常に自分の空間、時間、もっといえば時空がある人はいると思う