連載:心の歌

初冬の朝に

庭の木の葉がはらはらと散る


春暖かい陽にてらされ

お前たちは芽吹いた

初夏の爽やかな風に淡く輝き

空に恋する様に思いを広げた


お前たちはいつも空にあこがれ

雨の日も月の夜も

空に思いをはせていた


夏熱い太陽の如く

お前たちの思いも燃えていた

空が遠く感じふと寂しく思う

その時もう秋が来ていた


初冬の朝冷たい風に

お前たちは一ひら二ひら

ついにその思いを散し

短い生涯を閉じた


僕はお前たちを一つ残らず集め

静かに火で送ろう

命のかぎり焦がれ続けた空

せめて一筋の煙となって

お前たちの思いが空に届く様