枝垂梅風に揺らいで香り良し



 道草をして早春の帽子店  山田弘子

 春帽子松花堂よりいで来たる  飯塚ゑ子

 春帽子といえど春に帽子は被らない  アロマ

 斜にかぶり気分一新春帽子  時澤藍

 せせらぎの音はこまやか春帽子  河原敬子

 ここちよく被れる春の帽子欲し  早崎泰江

 咲くやうな春の帽子でありにけり  近藤喜子

 淡彩画友はチロルの春帽子  福永尚子

 吾子の帽子は別珍春の色  アロマ

 贈られて彼女手編みの春帽子  村上すみ子

 春疾風杖と帽子を抱きしむる  久米なるを

 帽子買ふ春が来たからまた一つ  町山公孝

 乃木