物心ついた時から私はお婆ちゃん子だった。
両親共働いていたので、いつもお婆ちゃんと一緒に過ごしていた。
仏壇の前に並んで座り、散歩の時もワンコのようについていった。
だから色々な事は全てお婆ちゃんから教わった。
最初の疑問は「ボクはどこから産まれてきたの」だったように思う。
今ならコウノトリが運んできたと云うところだろうが、寒い私の住む場所にコウノトリなんかいない。
それでお婆ちゃんは「木の股から産まれた」と云ったのだと思う。
家の裏には寒冷地には珍しい少し太い木があって、私はその枝分かれした股に想いを飛ばした。
テレビも無い時代。お婆ちゃんは