中島久枝 の かなたの雲 日本橋牡丹堂菓子ばなし(七)

★3.4 シリーズ7作目。4つの連作。
今回の目玉は2つ。1つは小萩が鎌倉の実家に帰り、江戸でずっと働くことを決断し、両親もそれを許したこと。もう1つは姿を消していた伊佐の母親・安乃が医王寺に収容されたこと。

看病にたびたび出かける伊佐は心配する小萩に心を開こうとしない。伊佐に重く引っ掛かっているのは、母親は幼い自分を捨てて出て行ったのかということ。安乃の先が長くないと思った小萩はそれを確かめる賭けに出た。伊佐にしてみれば本当のことを知るのが怖かったのだ。二十一屋の皆が作った栗の汁粉を口に安乃は息を引き取った。

今回の菓子は「小萩菴」に持ち込まれる話