童門冬二 の 小説 秋月鶴山 上杉鷹山がもっとも尊敬した兄

★3.0 上杉鷹山の実兄で、高鍋藩第7代藩主・種茂の物語。「小説上杉鷹山」を心躍らせて読んだ者としては残念としかいいようがない。

高鍋藩が藩主・種美、種茂の時代にどうやって国を富ませたのか知りたかったのだが。九州高鍋の地に関する中身に全く触れていないのだ。どんな気候か、どんな地味なのか、どんな災害を警戒したか、領内の産業は、領民は何に困り、何に恵まれていたのか。何も語られない。表高2万7千石に対する実高さえ示されていないのだ。

「藩士に誇りを持たせる、藩校を設立する」などの施策についても観念的な抽象論に終始した。具体的な問題点が欲しかった。長々と秋月