天野純希 の もろびとの空 三木城合戦記

★3.3 別所氏の三木城落城譚といえばその凄惨さから、あまりに有名な話として伝えられている。若き女武者・波のこともよく知られている。秀吉の干し殺しの最後は、幼い子らを含め別所一族の死をもって立て籠もった領民、家臣の命が救われるのである。

物語は百姓の娘で米を得られることから女武者団に参加した加代と、女武者団を支える別所家家臣の蔭山伊織の眼で語られる。兵糧の尽きた地獄の毎日の末、波が武家の誇りを守ろうと命を断とうとする。加代は言う「一人で逃げずに戦をを終わらせ生きている者を救ってくれ」と。加代が生き延びる期待のみで読み終えた。

名家といわれる武家もその