辻堂魁 の 乱れ雲  風の市兵衛 弐

★3.3 第弐部8作目。
文政8年、市兵衛41歳のまま。今回は時勢を反映し江戸市中に致死率の高い流行風邪が蔓延。

市兵衛は1500石の旗本ながら金貸しをやっている笹山家の貸し金取立ての助役に雇われた。18歳の鬼渋の息子・良一郎は北町に無足見習いに出ている。

5千石の広川家に婿養子で入った男の賭場での借金問題と、良一郎が見習い仲間と酔って賭場で起こした騒ぎが故買商「備前屋」の悪事と繋がる。

借金した者が返済できずに借用証文を書き替える際、「天利(天引きの利子)」と「筆墨料(礼金)」が必要とある。この言葉は他の小説にはめったに出ない。

中川の番所の登