矢野隆 の とんちき

帯封には〈ここは江戸の「トキワ荘」だ!!〉
江戸最強の出版人、蔦屋重三郎。そして、才能の開花を待つ、まだ何者でもない天才たち。葛飾北斎、滝沢馬琴、十返舎一九、東洲斎写楽の名が大書きされている。

物語は蔦屋重三郎の営む「耕書堂」が舞台の2年間の物語。時代は寛政の改革で財産半分の没収という罰を受けた2年後(1793年)のこと。山東京伝や喜多川歌麿は既に名をなし一本立ちしており、大田南畝などは既に足を洗っている。

〈鉄蔵〉本所の貧乏長屋に住み、がさつであつかましい図体のでかい四角い顔の男で、絵に繋がると何事にも首を突っ込む
〈幾五郎)絵や文、店の手伝いをさ