嫋やかな夕べに仄か落花舞う



 城門を落花もろとも潜るかな  坪井洋子

 風吹かば落花渦巻くはずの谿  黒川悦子

 目くるめく落花の吹雪く時なれば アロマ

 雨つむぎ言の葉つむぎゆく落花  山田弘子

 譲られし木椅子に坐して落花浴ぶ  足利錞子

 雨傘を干せば落花の点々と  高橋ふじ

 落花より明日へ繋いでゆく吉野  稲畑廣太郎

 落花ちらほら野点ての緋毛氈  アロマ

 工具箱落花しきりの地に開く  定梶じょう

 晩鐘に落花はなやぐ彦根城  駒井でる太

 み吉野の午前八時の落花かな  山田閏子

 風に乗る白い落花の風情かな  アロマ

 落