無人駅落花へ降り立つ親子旅



 糶声のはたと止みたる朝桜  山尾玉藻

 朝桜刻々つなぐ夕心  稲畑汀子

 大皿に映す如くに落花舞う  アロマ

 朝桜一年生になりし子と  稲畑廣太郎

 鮠寄せの巣棚作りよ朝ざくら  関正夫

 朝桜月を抱きてまだ覚めず  稲畑汀子

 朝桜靄めく中の薄ピンク アロマ

 氷片のごときらめけり朝桜  飛高隆夫

 朝桜遠くの海を抱え込む  陽山道子

 日を浴びてより朝桜濡れ色に  稲畑廣太郎

 青年の仰ぐ旧家の朝桜  菅野蒔子

 一番湯浴びて道後の朝桜  三村純也

 池の面のやはらかき影朝桜  森清堯

 朝桜首