バイキング穴子の握り母好む



 指先を湖に遊ばせ山若葉  岸本久栄

 雨音は楠若葉より響き初む  田尻勝子

 若葉してテラスのお茶はダージリン アロマ

 着陸す蝦夷の若葉を傾けて  稲畑廣太郎

 若葉風音が光となる水面  今井肖子

 ビル街や銀杏若葉を溢れしめ  鍋島武彦

 日に透けて揺るる軽さや樟若葉  片桐紀美子

 界隈の路地をそらんじあなご鮨  千田百里

 寝てる間に着いてお昼の穴子飯  中原幸子

 バイキング穴子の握り母好む アロマ

 播磨には古き漁港や穴子焼く  大堀鶴侶

 あごあなごあはびの順に売れにけり  高橋将夫

 焼き