サイのものがたり

漢字の成り立ちを丁寧に説明してくれる、
大人向けの絵本で、実にセンス良く仕上げられている絵本です。

口は口ではない! 「サイ」である。

「口」(こう)のつく漢字は、日本で一番大きな漢和辞典である『大漢和辞典』の「口」の部に1447字
あります。しかし、この中には「くち」という意味だけでは字の成り立ちが説明できなかったり、矛盾が生ま
れるものが多いことが知られていました。

しかし、白川静さんが甲骨文字「サイ」を発見しました。

「サイ」とは神に捧げる祝詞を収める箱のことであり、
これと他の甲骨文字との組み合わせでこれらの説明が可能になりました。