連載:ぐみ原わけて  北原白秋の「砂山」にみる3つの問題

ぐみ原わけて  北原白秋の「砂山」にみる3つの問題

ぐみ原わけて

北原白秋の「砂山」にみる3つの問題


ぐみ原わけて

 ある本を読んでいたら、北原白秋の「砂山」の歌が出ていた。何の気なしにその詞を読んでいたのだが、3番の「帰ろ帰ろよ ぐみ原わけて」というところに来て、「ああ、グミが出てきた」と思った。というのは、つい先ごろ、グミの木に会ってきたばかりだったからだ。それはいつもの早朝散歩の途中に見える1本のグミの木のことで、これはナツグミなのだが、赤く色づきだしたグミの実を、コジュケイが枝に上がって啄ばむという珍しい行動を見たのだった。
 散歩コースの草花丘陵のなかにはグミといえばツルグミの木がたくさ