読書日記 何もなしえなかった男 類 朝井まかて著

NHK朝ドラの「カムカムエブリバディ」で好演する深津絵里さんの類(るい)と関係はないものの、書名が気になって読んだ。

文豪を父にもち、働かなくてもいい人生が用意された男森類の一生を描く。
大正12年森鴎外の死後、類は11歳、進学するも友人もなく、長姉茉莉(まり)次姉の杏奴(あんぬ)とともに過ごし、青年期には茉莉に付き添って巴里への絵画修行にもで出かけ帰国後は画家の真似事をしながら優雅な暮らしを送っていた。
やがて戦争によって用意された財産や収入の道が削られて行く。著名な画家の娘と結婚もするが、生活力のない男には厳しい暮らしが待っている。

偉大な父や文