■■源重之■■
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なつかりの たまえのあしを ふみしだき むれゐるとりの たつそらそなき
夏刈が行われて、美しい入江の蘆《あし》はすっかりと刈り取られてしまった。
その蘆の切り株を踏みしだいて鳥が群れている。
せっかくの住みかが荒らされて、途方に暮れているのだ。
空へ飛び立っていかないのは、そういう気分でもないだろう。
人には人の事情があるけれど
鳥には鳥の事情がある
勘弁してよ、という歌
うちのセキセイインコにも、そのつど事情があるんだろうなあ
連載:短歌、百人一首