連載:花万朶

桜切る馬鹿、、


10年前、娘が結婚して、婿の転勤で東京へ行く事になった。
淋しいので庭に桜の木を植えた。高さ1メートル幹の直径3センチ、ほんのちょっとした苗木だった。
それがみるみる大きくなって幹も太くなり、枝を広げて立派になった。二階の屋根の高さになった。

桜切る馬鹿、梅切らぬ馬鹿、、諺を信じてずっと切らずに育ててきた。

春の頃は満開の花で楽しませてくれた。秋も桜紅葉で美しい。紅葉がはらはら散って庭に虹のように積もるのも鮮やか。
でもそこまで、、。
おびただしい花びら、おびただしい落ち葉で泣く事になる。
それでも、娘だと思えば可愛かった。

落ち葉を集めて、堆肥