スマートフォンで、こだわりの写真を撮影してみよう〜入門とプチテクニック〜

しゅみーと編集部
2020/05/29

写真を趣味にすることは、特別なカメラが必要なわけではありません。身近にあるものや人を被写体にして、スマートフォンで写真を撮ってみましょう。今回は、スマートフォンで楽しめる写真の基本と、応用テクニックを少しだけ紹介します。


その前に、少し自己紹介を。この記事を書いている私は、普段写真を仕事にしているカメラマンです。被写体にするのは人、物などさまざまなもの。仕事では一眼レフを使いますが、プライベートで持ち歩くのはもっぱらスマートフォン。今のスマートフォンは、プロでも十分だと思えるほど本格的な性能のカメラがついているので重宝しています。


まずは、スマートフォンのカメラで写真を撮るときの基本をお話します。


スマートフォンのカメラのコツはたてよこまっすぐ、水平にとること


スマートフォンで写真を撮るとき、どのようにカメラを構えていますか?ちょっと前に倒れてしまっている方が多いのではないでしょうか?スマートフォンの写真でも、基本は普通のカメラと同じ。縦横まっすぐにすることと、被写体と水平になるようにかまえることです。


・たてよこまっすぐ


水平線に対してカメラが左右に傾いていないか確認します。右があがったり、左が上がったりしていませんか?



▲鳥が飛び立つ様子を撮影するとき、建物をまっすぐに入れてみました。ひとつまあああっすぐなものが入るだけで、鳥の動きがより引き立ちます。


・被写体に対して水平に


▲床に置いたものに対して水平に撮影するなら、スマートフォンは真上からかまえます。置いてあるのはただの石ですが、水平に撮影しただけで存在感が増します。額装したらこんな感じでしょうか・・・(こんな風に加工してくれるアプリもあります)。


▲小さなスノードームにスマートフォンを水平になるようにむけて撮影しました。スノードームの中まで写っていますね。


立っている人や物に対して水平に撮影するなら、物や人の中心に対し、スマートフォンが水平になるように向けます。水平になるには思っているよりもカメラを下げなければいけませんが、同じ高さから撮影すると迫力ある写真を撮影することができます。


プラスアルファ

・明るさを少し明るめに



▲iPhoneで明るさを調整しているところです。撮影しているものを軽く押すと、太陽のマークが出てくるので、これをスライドして明るめに調整してから撮影します。


スマートフォンのカメラには明るさを調整する機能がついていることがほとんどです。少しだけ明るさを明るめにして撮影しましょう。iPhoneでは、被写体をタップ(軽く押す)すると、太陽のマークがでてきますので、それを指で動かすことで明るさを調整することができます。



基本をおさえたら、応用編にいってみましょう。


さまざまなテクニックを使った応用編を試してみましょう


・真上や真下を撮ってみましょう


被写体を探して、真上や真下にも目をむけてみましょう。雨上がりの水たまりには空が写っていたり、木を下から見上げると綺麗な光が撮影できるかもしれません。


▲スマホを真上に向けて撮影してみると、空と花を一緒に撮ることができました。


▲めずらしい赤い絨毯張りの螺旋階段を発見したので、真上から撮影してみました。探してみると面白い床のタイルを使っている建物や道を見つけることができます。


・背景はひとつに絞ること


ちょっと微妙な例です。背景に色々なものが見えているよりも・・・


▲ひとつの背景のほうが写真としてまとまって見えます。


▲物を撮影するのでも、背景はひとつのほうがまとまって見えるでしょう。


綺麗なお花を背景にしたり、おしゃれな壁を背景にしたり。誰かを撮影するときに背景になる場所を探すなら、フレーム内をいっぱいにできるように調整するのがおすすめです。例えば同じお花が咲いている背景でも、フレームいっぱいにするとこれだけ印象が違います。


・カメラの前にいろんなものをかざしてみよう


スマートフォンのカメラは小さいので、さまざまなものをカメラの前に置いて撮影することができます。



▲スマホのカメラに、望遠鏡の覗き穴をつけて撮影してみました。望遠鏡は細長いので風景と一緒に撮影することができます。遠くにいる鳥が写っているのがわかるでしょうか?


この他にも、ルーペや透明セロファンなどさまざまなもので実験してみると面白いかもしれません。(ルーペや双眼鏡をかざす時は太陽にむけて目を痛めないように注意してください。)

さいごに


スマートフォンで写真を撮るのでも、さまざまな可能性があるのを感じていただけたでしょうか。色々なテクニックや撮影の仕方を紹介しましたが、最後にとっておきのアドバイスをひとつ。人を撮るときも、ものを撮るときも、風景を撮るときも、「写真の中心をきめること」がその写真をより思い入れのあるよい写真にしてくれます。例えば「この風景のここが素敵だと思った」「これを伝えたかった」「この人のここがとても可愛いと思う」「このお花はここが素敵」...こんなことが写真の中心になります。素敵だと思ったものをよりうまく伝えるために色々な方法を試していくと、自然と写真が楽しくなってくるはずです。


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プロフィール


出川 光(でがわ・こう)

1987年生まれ。武蔵野美術大学で写真を学び、会社勤務を経て独立。現在はカメラマン、編集ライターをフリーランスとして行なっている。ポートレートを得意とし、数万人でいっぱいになるライブをはじめさまざまな被写体を撮影している。


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コメント

Leicanonさん、とても貴重なご意見をお寄せくださり誠にありがとうございます。
担当とも相談し、今後の参考とさせていただきます!

せいべいさん、コメントありがとうございます。
ほかにもいろいろな記事を投稿しておりますのでぜひご覧ください!!

たけちさん、コメントありがとうございます。
ほんとちょっとした工夫次第で写真の印象がだいぶ変わりますよね!
お試しいただけていたら嬉しいです!

小夏さん、コメントありがとうございます。
ぜひ参考に試してみてください!

 とても、参考になります。
 ただ、趣味人俱楽部の編集部企画ならば、プラスアルファがほしいです。例えば、スマートフォン利用年数に分けた写真投稿コーナーの設置や、スマートフォン写真の懸賞などです。

 それらを行ったうえで、「スマートフォンで、こだわりの写真を撮影してみよう〜入門とプチテクニック〜 」part2の記事が出ると、かなり効果的となりからです。

 人間・・・賞品・懸賞などには弱いので、その知らせがある事で、人々の関心をぐっと惹くことができます。
 そして、マガジンコーナーの認知度も上がるはずです。

 ・・・それが相乗効果ではないでしょうか。
 

面白い記事を拝見しました。

有難う御座います。

ちょっとした工夫で素敵な写真になるんですね。試してみます!

とても参考に成りました。
ありがとうございます。