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【世界の刺繍から学ぶ】刺繍の種類やステッチを紹介

長い歴史を持ち、多くの人に愛されてきた刺繍。日本には5世紀頃に伝わってきたといわれており、その後独自の進化を遂げてきました。

同じように、世界各国それぞれの地域で刺繍は独自に発展。地域性、民族性が色濃く反映された芸術文化を育んでいます。あらゆる地域の伝統となった刺繍には、どのような種類があり、どのような特徴を持つのでしょうか。

今回は世界各国に伝わる伝統的な刺繍の種類についてご紹介します。

国・地域で刺繍技法が異なる

日本における刺繍は、仏教的なテーマを刺繍で表現する「繍仏(しゅうぶつ)」が源流であるといわれています。5世紀前後に生まれたとされる出土品に刺繍らしき装飾が施されていることから、およそこの時代に伝来したといわれています。

一方、世界的な刺繍の歴史はさらに長く、紀元前700年頃の中国で毛織物に刺繍が施されていたという説や、同じく紀元前700年頃の古代ローマのドレスに刺繍がされていたともいわれています。

各国に伝来した刺繍の技術は、やがてそれぞれの国で独自の文化として発展を遂げていきました。権力者の権威を示すための装飾として用いられる国もあれば、民族的な伝統文化として受け継がれてきたものもあります。針と糸を使った装飾という共通点を持ちながらも、各国の刺繍はまったく違う背景を持つ文化として伝承されてきたのです。

日本ではフランス刺繍が主流

日本では飛鳥・奈良時代以降、日本独自の刺繍文化が醸成されていきました。絹糸を使って自然の草花や鳥獣を表現する繊細な技法は、日本刺繍・和刺繍として今も受け継がれています。

一方で、現代において刺繍といえば、ほとんどの場合フランス刺繍を指します。フランス刺繍は100を超えるといわれるステッチを自由に組み合わせる自由度の高さが人気で、ヨーロッパ各地に浸透。その後世界的な広がりを見せ、日本でも一般的に刺繍といえばフランス刺繍を指すほどの市民権を得ています。

刺繍の種類一覧

世界各国に広がり、独自の文化と成長した刺繍。世界にはどのような特徴を持つ刺繍が存在しているのか、代表的な7つの刺繍をご紹介します。

リボン・ビーズ刺繍

ヨーロッパ地方の流れを汲む刺繍のひとつに「リボン刺繍」があります。その名の通り、糸の代わりにリボンを使って刺繍をおこないます。

使われるリボンは刺繍専用のもの。3.5mm幅が一般的ですが、7mm幅のものが使われることもあるようです。糸にはない幅広の質感が生む優雅さと気品が特徴で、18~19世紀頃にはヨーロッパの貴婦人の間で絶大な人気を誇ったそうです。

同様にヨーロッパ刺繍の技術でビーズを刺繍する「ビーズ刺繍」も華やかな刺繍として人気があります。

スウェーデン刺繍

布地の織り目に従って布をすくいながら刺す手法の刺繍です。織り目がはっきり見えるスウェーデン刺繍用の布を使い、先が曲がったスウェーデン針で刺繍をするのが特徴です。

クロスステッチ同様、織り目を数えて指す「区限刺繍」に分類される刺繍法です。スウェーデンという名前は付いていますが、日本で大いに発展した刺繍法といわれています。

織り目がわかりやすい布を使うため、初心者でも習得しやすい刺繍法として人気があります。

カロチャ刺繍

ハンガリー南部の賀露茶地方に伝わる刺繍法が「カロチャ刺繍」です。色とりどりの花やカロチャ地方の野菜をモチーフにした刺繍が多く、植物の模様のほとんどはサテンステッチで表現される特徴があります。

染色技術が発展していなかった時代には、白地の布に白糸で刺繍を施していました。その後染色技術の発展とともにさまざまな色の糸を使うようになり、今では礼拝やお祭りの際に身にまとう民族衣装を彩っています。

カロチャ地方では独自の太い糸を使用しますが、日本ではなかなか手に入りません。日本で市販されている糸を使う場合には、8番や25番の6本取りで代用するのが一般的です。

ハーダンガー刺繍

ノルウェーのハーダンガー(Hardanger)地方で発展した刺繍法がハーダンガー刺繍です。布目を数えながら施した刺繍の織り糸をカットしてくくり、四角形の格子を残します。

使用する布は織り目がはっきりと見えるコングレスなど。8番の糸を使うのが一般的です。一見複雑そうに見えるハーダンガー刺繍ですが、使用するステッチはストレートステッチが基本。少し刺繍になれた初心者でも十分に楽しめます。

規則正しい格子状の模様を完成させると達成感があることから、日本国内にも熱狂的なファンが少なくありません。

刺し子

刺し子とは、日本に古くから伝わる伝統手芸のひとつ。当時大変貴重だった布を無駄にしないよう、布を重ねて補強するために始まった技術といわれています。

藍色の木綿地を色糸でぐし縫い(ランニングステッチ)で指すのが定番ですが、伝統的な文様も多く受け継がれており、伝統工芸として扱われる技術も少なくありません。太く丈夫な「刺し子糸」、長く針穴が大きい「刺し子針」と、専用の道具も用意されていますが、一般的な刺繍糸・刺繍張りを使って指す場合もあります。

シンプルな技術で黙々と楽しめるため、隙間時間を充実させる趣味として高い人気があります。

ニードルポイント

キャンバス地の目にウール糸を通すニードルポイントは、人気の刺繍のひとつ。固いキャンバス地の上にふんわりとしたウール糸で描く絵は、優しく温かみを感じさせます。

キャンバスの目に沿って刺すニードルポイントはクロスステッチと似ている刺繍法ですが、使う道具や技法が異なるため、別物として考えられています。規則正しく目に沿って針を刺すため、初心者にも取り組みやすいチャレンジのしやすさがあります。

スモッキング刺繍

刺繍枠を使わずにわざと布にシワを寄せながら針を刺す刺繍がスモッキング刺繍です。薄手の布に25番の細い糸を使うのがスモッキング刺繍の特徴のひとつ。規則的に布を寄せて作ったギャザー部分に刺繍を施し、ギャザーも含めた模様を生み出します。

ヨーロッパの農村地方で生まれたとされており、農民が来ていたスモック(丈の長い上着)に模様を施したことから、この名前が付いたといわれています。16~17世紀のヨーロッパの上流階級では刺繍が大人気。貴族女性のオシャレのひとつとしても人気があり、さまざまな模様のスモッキング刺繍が生まれたといわれています。

現代においてもギャザーが女性らしさを強調するとされ、さまざまな年代の女性から人気を集めています。

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まとめ:世界の刺繍に挑戦してみよう

長い歴史を持つ刺繍の技術は、各国それぞれの特徴を持った独自のスタイルへと発展してきました。刺繍を知っているつもりだったけれど、まだまだ世界は広い!と思い知らされるような、特徴的な刺繍もきっとあることでしょう。

刺繍は極めるつもりならどこまでも突き詰められる奥深い趣味ですが、一方で初心者も今すぐ楽しめる入りやすい一面を持っています。世界には自分の好みにぴったりの刺繍がきっとあるはず。ぜひ世界中の刺繍を勉強し、素敵な模様作りに挑戦してみましょう。

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