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盆栽の育て方|初心者向け盆栽の手入れ・剪定の基本【入門】

木や草を鉢に植え、造形の美しさを楽しむ「盆栽」。じっくり腰を据えて楽しめることから、人気の趣味として知られています。一方で「始めるのが難しそう」「実はお金がかかるのでは」「老人の趣味」というイメージもあり、なかなか手を出せない人も多いのではないでしょうか。

盆栽は年齢を問わず、誰でも気軽に楽しめる趣味です。今回は盆栽の手軽な始め方から必要な道具をご紹介します。この記事を読み、ぜひ気軽に盆栽にチャレンジしてみてください。

盆栽の始め方

盆栽という名前は知っていても、どのように始めたらよいか分からない人も多いのではないでしょうか。ここでは盆栽を始めるために、意識したいポイントをご紹介します。

樹を選ぶ

盆栽は木の成長を楽しむもの。まずは育てる木を選びましょう。木選びのポイントは「樹形」と「大きさ」です。

 樹形

盆栽を育てる楽しみは、美しい木をいつまでも眺めていられる点にあります。好みの樹形を選べば、鑑賞の時間が楽しく充実したものになるでしょう。

幹が立ち上がりから真っ直ぐに伸びた樹形が、基本ともいえる「直幹(ちょっかん)」です。堂々とした佇まいを見せてくれるため、見ていて気持ちが良い盆栽となってくれるでしょう。

「模様木(もようぎ)」は、上に伸びる幹が緩やかにカーブを描く樹形。いかにも盆栽という風格の樹形で、見ていて充実感があります。

風になびく木を意識した樹形に「斜幹(しゃかん)」「吹き流し」があります。片側に傾く幹から感じられる躍動感が人気です。

幹が下に垂れ下がる「懸崖(けんがい)」は、ひと味違った盆栽の楽しみ方を教えてくれるでしょう。

 大きさ

盆栽選びのポイントで、非常に重要なのが盆栽のサイズです。大きなものほどお手入れに手間がかかりますので、初心者は小さなサイズから始めてみるのがよいでしょう。

盆栽は鉢の縁から樹木の最上部までのサイズによって、分類が変わります。50~60cm以上の大きなサイズは「大品(だいひん)盆栽」。大品盆栽未満で20cm以上は「中品(ちゅうひん)盆栽」と呼ばれます。

20cm以下はさらに名前が細分化。20cm以下を「小品(しょうひん)盆栽」、10cm前後は「ミニ盆栽」です。5cm前後の「プチ盆栽」、3cm前後の「豆盆栽」と、とてもかわいいサイズの盆栽も多くあります。

道具を用意する

盆栽を育てるには、木だけがあれば良いわけではありません。盆栽が好みの通りに成長してくれるよう、周辺の道具も揃えておきましょう。

 盆栽鉢

盆栽を植える鉢は、木の大きさに合わせるのが基本です。一般的には木の枝幅程度かつ、高さの3分の2程度の幅がある鉢がよいとされています。

盆栽は、木本体だけでなく鉢も含めた美しさを楽しむものです。木と鉢全体のトータルの美しさを表す「鉢映り」という言葉があるほど、鉢は盆栽にとって重要な存在といえます。

 培養土・肥料

盆栽の美しさは土で決まるといっても過言ではありません。盆栽に向いている土は、基本的には水はけがよく肥料成分がないもの。それに加え、木の特性に合わせた土を選ぶとよいでしょう。また同じ木でも、地域によって使う土の傾向が変わることもあります。

盆栽にとって肥料は与えれば与えるほどよいというものではありません。与えすぎることで枯れてしまう場合もあるので、木の種類や時期にあった適切な量を与えるようにしましょう。

培養土・肥料とも、初心者のうちは自分で選ぶのは難しいので、まずは市販の土・肥料のセットを使うか、盆栽を購入できる店で相談するとよいでしょう。

 盆栽バサミ

盆栽の枝の形をデザインするために必要な道具が盆栽バサミです。剪定時に枝を傷つけないよう、切れ味が良いものを選びましょう。

初心者のうちは盆栽用として売られているハサミを選ぶのが無難ですが、切れ味さえよければ一般的な園芸用のハサミなど、盆栽専用でなくても問題ありません。

 ピンセット

盆栽に生えた雑草や、たかった虫を取り除くために必要です。盆栽用として作られたヘラ付きのものが使い勝手がよく、土をならしたい時など、あらゆる場面で活躍してくれます。

 じょうろ・霧吹き

盆栽は非常にデリケート。水圧で傷めてしまわないよう、水やりはじょうろでやさしく行いましょう。枝葉に水分を与えたい時には、霧吹きも活躍してくれます。

 針金

枝や幹の角度を決めるためには針金が必要です。盆栽は自分が思うように樹木の形をデザインする芸術品である一方、生き物である木を相手にするため、思い通りに成長してくれない場合も多々あります。好みの枝や幹の形を作れるよう、針金を使って成長の方向を誘導しましょう。

盆栽に使う針金は、盆栽用品として販売されているものだけでなく、100円ショップで売っている銅製針金も使用できます。

 鉢底ネット

鉢の底に敷く鉢底ネットは、通気性をアップし根腐れを予防してくれる働きがあります。また鉢底に空いている穴から害虫の侵入を防いでくれるうえ、穴から土が流れ出てしまわないようにガードもしてくれます。

プラスチック製の鉢底ネットが一般的。近年ではヤシの繊維などで作られた自然素材のものも人気です。

盆栽の育て方

一通りの道具が揃ったなら、いよいよ盆栽を育て始めましょう。

植え替え

購入した木を好みの鉢に植え替えましょう。盆栽は鉢から木が動かないように、植え替え時に針金で固定する作業が必要です。木を植え替える前に、鉢底の穴から針金を伸ばしておきます。

鉢底に鉢底ネットを敷き、穴から針金を伸ばしたら木を植え替えましょう。古い鉢の中で根が伸びすぎているようなら、形を整えながら根を剪定してください。

鉢に木を植え替えたら、穴から伸ばした針金で木と鉢を固定します。きつく閉めすぎて幹を傷つけないように注意しましょう。最後に鉢へ培養土を敷いて完成です。根っこが邪魔で土が入りにくいようなら、少しずつ根っこの隙間に割り箸などで土を押し込み、隙間を埋めましょう。

針金掛け

美しい樹形を作るために、針金掛けを行いましょう。太い幹や枝には太い針金を、細い枝には細い針金を使います。先に太い幹・枝に針金を掛け、徐々に細い枝に掛けていきましょう。

針金掛けは美しい形を整えるために必要な行為ですが、木には負担をかけてしまいます。そのため負担がかかりにくい春や秋に行うのがオススメ。植え替えをした直後の盆栽は、1カ月ほど時間を置いてから針金を掛けましょう。また、一度針金を外した盆栽にもう一度針金を掛ける場合には、やはり1カ月ほどの時間を置いてから行うのが無難です。

水やり

盆栽育成の基本は水やりです。土が乾かない程度に定期的な水やりを行いましょう。また鉢に満遍なく水が行き渡るように行うのが重要。蛇口から直接伸ばしたホースやシャワーなどでは、一度に水をあげすぎてしまいますので、じょうろで少しずつ水をあげるのがオススメです。葉が乾いていると思ったら、霧吹きで湿らせてあげるのも忘れずに。

剪定

葉や枝が伸びてきたら、剪定で形をデザインしましょう。不自然にねじれている枝や、バランスを崩している枝を取り除き、美しい樹形を取り戻しましょう。

また葉や枝だけでなく、春先には新芽を摘む「芽摘み」を行うことで、1年を通して美しい樹形を保てるでしょう。

盆栽の手入れ・剪定のコツ

盆栽は奥が深く、一生楽しめる趣味。それだけに覚えることはたくさんあります。まずは基本的なお手入れや、剪定のコツを学ぶことから盆栽を楽しみましょう。

日当たりの良い場所で育てる

盆栽は、日当たりがよく風通しが良い場所に置くのがオススメです。石やコンクリートの上は、夏場は輻射熱で熱くなりすぎ、冬は冷え込みが厳しい場所。盆栽にとって良い環境とはいえません。盆栽を寒暖差から守るためにも、木の棚などを使い、地面から離した高さに置くとよいでしょう。

季節に応じて水やりのタイミングが異なる

盆栽に水やりは必須ですが、常に水をやり続ければ良いというものではありません。季節に応じた適切なタイミングで水をあげるように心がけましょう。

基本的には土が乾いたタイミングが適切ですが、苔や化粧砂が乗っているため分かりにくい場合もあるでしょう。大まかな目安としては、春や秋は毎日1回。夏は乾燥しやすいため朝晩に1回ずつ。冬は天気を見ながら、2~3日に1回程度でよいでしょう。

また、水をあげるタイミングは、なるべく同じ時間帯に合わせてあげるのがオススメです。

肥料で十分な栄養を与える

美しい樹形を作るには、木に十分な栄養を与える必要があります。基本的に盆栽に使う土には肥料は含まれていませんので、定期的に肥料を与えましょう。

木の種類によって必要な肥料が異なり、また必要な量にも違いがあります。黒松、赤松などの松柏類の一部は「痩せ作り」と呼ばれる、水や肥料をほとんど与えない育て方も確立しています。育てる木の種類や目指す樹形によって、与える肥料の種類や頻度を変えてみましょう。

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まとめ:ミニ盆栽から始めるのもオススメ

盆栽は老若男女、誰でも楽しめる趣味のひとつ。自分が思い描く木の形を作る作業は、まさにアーティストの取り組みといって過言ではありません。しかし生き物を相手にする以上、想像とは違う成長を見せることも。また盆栽はデリケートな存在のため、なかなか思い通りにはいかないこともあるかもしれません。

もし盆栽に興味があるなら、比較的育てやすい小ぶりのミニ盆栽から始めてみるのはいかがでしょうか。ミニ盆栽で盆栽の魅力にはまったなら、ぜひさらに大きな作品作りに挑戦してみましょう。

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