風力発電(2)洋上風力発電所と風況観測施設
(福岡県北九州市沖)
クルージング中、山の上や港に風力発電の風車をよく見かけましたが、洋上風力発電を眼にしたのは、この北九州市沖の風力発電施設が初めてです。
写真左が洋上風力発電施設です。
岸から1.4km沖の(浮体式ではなく)着床式です。
充電事業ではなく実証事業として建造されました。出力は2MWです。
風車の発電機電圧は、660Vですが、洋上風力発電所内の変圧器で6600Vに調整して送電しているので、海底ケーブル、陸上開閉所を経由して系統につないでいます。
写真右はこの実証研究海域の洋上風況観測施設です。
海面からの高さが85mの方形断面鋼管トラス構造です。気象観測のため観測機器は8層に設置されています。
平均風速、最大風速、乱れ強さ、風向出現率などを測定しています。三杯型風速計、矢羽根式風向計など古典的計測器の他に、超音波式風向風速計、ドップラーライダなどの近代的計器も用いています。その他、大気安定度を見るために、気圧計、温度計、湿度計、水温計も用いています。
(九州一周クルージング:2015年6月3日撮影)
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以下は関心のある方のみお読みください。
(Windpower Monthly、Jan 2018より)
【世界における風力発電の導入量(全体)(2017年12月)】
全世界 517,508MW
1位 中国 169,500MW(32.8%)
2位 アメリカ合衆国 87,595MW(16.9%)
3位 ドイツ 56,818MW(11.0%)
4位 インド 32,856MW( 6.3%)
5位 スペイン 23,171MW( 4.5%)
6位 イギリス、 7位 フランス、 8位 カナダ、 9位 ブラジル
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20位 日本 3,296MW( 0.6%)
【世界における風力発電の導入量(洋上)(2017年12月)】
全世界 16,262MW
1位 イギリス 5,788MW(35.6%)
2位 ドイツ 4,765MW(29.3%)
3位 中国 1,907MW(11.8%)
4位 デンマーク 1,308MW( 8.0%)
5位 オランダ 1,120MW( 6.8%)
6位 ベルギー、 7位 スウェーデン、8位 フィンランド、9位 ベトナム
10位 日本 40MW( 0.25%)
日本は風力発電は少ないですね。
(思い出)琵琶湖の風力発電「夢風車」は…、いま
琵琶湖でヨット遊びを楽しんでいた時代、ディンギーから対岸の烏丸半島の草津市立水生植物公園の風力発電施設「くさつ夢風車」をよく眺めたものです。
この風車はクリーンな自然エネルギーを活用し、公共施設に電力を供給することを目的として、2001年から稼働を開始しました。
遠くからでもよく見える巨大な風車ですが、風が弱いと回らず、風が強いと回らず、あの風車は電気で回しているのかと軽口を叩いていたものです。
しかし想定通りの風が吹かなかったり、故障などで発電量は低迷。その後ブレードの損傷が生じ、2014年4月に運転を停止。累積赤字が増える中で2019年4月風車解体工事終了。現在はモニュメントが風車への想いを未来へ繋いでいます。
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