越辺川(越生)春の花

山吹

花ゆさりゆさりとあなたを殺そうか(時実新子)

越辺川に沿う崖に山吹の群生が枝垂れるように咲いていた。
時実新子は川柳作家だ。川柳には季語はいらない、と牽強付会の気味はあるが花を桜に特定せず山吹の花に擬えさせてもらう。
彼女の川柳は女性の情念を率直にかつ激しく表現するところから川柳の与謝野晶子とも言われている。諧謔に面白味をもつ川柳とはだいぶ趣が異なっている。
嫉妬をこう表現され、さらに「一人殺せと神の許しがあれば君」と続けられれば越辺川を覗く足元が竦みそうだ。山吹がゆさゆさと不気味な笑いを浮かべている。

※日記「越生散歩」を投稿しました。
 https://smcb.jp/diaries/8508971

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