亀戸散歩 ー 秋の花めぐり ー

曼殊沙華(光明寺)

「草川のそよりともせぬ曼殊沙華」(飯田蛇笏)

残念ながら残暑も一休み、さらに青空も薄い日だったが、蛇笏の句は私のような朴念仁でも、あの残暑の中で燃えるような真紅の花がまっすぐに伸び直立不動で立っている姿に、美しいけれども少し寂しい、田舎の夕暮れを歌った叙情的な童謡「夕焼け小焼け」が重ねたくなる。
ここは東京下町、スカイツリーが見下ろしている。
そういえばこの歌の作曲家は草川信。
多くの自治体が夕方になるとこの曲をトランペット・スピーカーを通して流している。だが曼殊沙華は聞く耳を持たず、そよりともせず立ち続けている。
「曼殊沙華群れて日暮れを拒み居り」(高橋治)

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