海からの景色(7)名所

伊崎寺の棹飛び〜棹と棹飛び堂(護摩堂)

伊崎寺の棹飛び〜棹と棹飛び堂
 (滋賀県近江八幡市白王町)

 琵琶湖岸の天台宗伊崎寺では毎年8月1日の千日会に棹飛びが行われます。
 棹と呼ばれる長さ約13mの太い角材が、水平に琵琶湖に突き出ています。水面から7mの高さに突き出した棹の突端から琵琶湖へと飛び降りる雄壮な行事です。
 伝承では1000年近く続いてきたといわれており、文献的にも16世紀にはすでに行われていたことが確認されています。

 行者が棹の先端まで歩き湖に飛び込むというのは、「捨身(しゃしん)の行」、つまり報恩や他者救済のため、自らを犠牲にして仏道を求める修行の姿です。行者は人々のさまざまな願いを背負っています。棹というのはいわば「人生」、行者は多くの願いを背負いながら先まで歩き、自分の身よりも人々の願いのためにわが身を捨ててそこから飛び込み、そしてまた陸に帰る=生まれ変わります。この行は「再生」の意味合いも持っているのです。

 先輩S氏退職記念の沖ノ島クルージングの際の写真です。
 
 (琵琶湖沖ノ島クルージング:2006年4月「Stera4π」から撮影)

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