吾喰楽家の食卓

魚津の思い出(フクラギ)

出世魚と言えば、ブリが思い浮かぶ。
関東では、成長に伴い、ワカシ、イナダ、ワラサ、ブリと名前を変えていく。
単身赴任していた魚津では、ツバイソ、フクラギ、ガンド、ブリとなる。
旬は11月から2月までだが、師走の魚だから漢字では鰤と書くという。

そろそろ、「ひみ寒ぶり宣言」の時期である。
毎年、富山湾の定置網で獲れた寒ブリが、氷見港に水揚げされると宣言が出される。
ブリなら何でも良いわけではなく、6kg以上で太った魚に限定される。
毎朝、テレビのローカルニュースで、氷見港や魚津港に水揚げされた、寒ブリの本数を放映していた。

刺身で食べる、イナダ(フクラギ)の美味しさを知ったのは、魚津に単身赴任中のことだ。
つるりとした食感で、さっぱりした味は、何とも言えない。
昨日、刺身用イナダの半身が安かったので、久しぶりに食べることにした。
最近、値上がりしている玉葱を奮発し(笑)、腹側を使ってカルパッチョを作った。

新玉葱ではないので、水に晒した方が良いのだろうが、そのまま使った。
タレは柚子ポン酢を使っているから、和風カルパッチョと称している。
他の料理には手を付けず、酒も数杯飲んだだけで、盛り付けた半分ほどを一気に食べた。
つるりとした食感のイナダを食べたら、魚津で覚え海の幸が次々に蘇って来た。

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写真
2021年11月18日(木)の夕餉

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