秋の高幡不動 ー紅葉と黄葉ー (コミュのオフ会で)

塔と黒紅葉

 「黒紅葉覆堂(さやどう)の如く塔守る」(自作)

陽の光というのは不可思議だ、と思う。見る位置によってモミジの色を変化させる。
正面から浴びたモミジはその葉の色を幾通りも変化させながら雅な世界へと誘う。
緋(あけ)、猩々緋。紅緋、深緋、朱、紅赤、茜など日本人が赤の色を微妙な変化に名を付けた心を表してくれるように・・・
しかし突然、別の世界へも引っ張り込む。暗褐色に色を変え、容色衰えた小町がいた奥州八十島の世界へ。
葉裏に回ると決して強くはない秋の光がモミジ葉を羅の世界にも。桃源郷を思わせる柔らかい世界だ。
時に陽の光を遮り黒紅葉となる。
見上げると化粧をした塔身、金色に輝く相輪の艶やかな五重塔の容色を守るかのように覆堂と思わせる姿を見せた。

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