秋の高幡不動 ー紅葉と黄葉ー (コミュのオフ会で)

御簾の中

「雪のいと高う降りたるを・・・「少納言よ、香炉峰(こうろほう)の雪、いかならむ」と仰せらるれば、御格子あげさせて、御簾を高くあげたれば、笑はせたまふ」
               (清少納言「枕草子」)

清少納言が最後まで仕えた10歳年下の一条天皇の正室、中宮定子は才色兼備の人。二人の才女ぶりがいかんなく発揮されたこの段は「春はあけぼの・・・」と同様に人口に膾炙しているように思う。
定子が雪見をしているとき、清少納言に白居易の詩「香炉峰下、新たに山居を卜し、草堂初めて成り、偶たま東壁に題す」にかけて「香炉峰の雪はどんなでしょうね」と問うと清少納言は立ち上がって御簾を捲き上げた。定子は言葉ではなく、実際に御簾を捲き上げた清少納言の機智を大変褒められた、と枕草子の中で自慢げに書いている。
惚れてはいるが小憎らしい少納言をとっちめられないか!
思いはあらぬ方向に無能無才の男は思う。
冬モミジ、そう冬になっても紅を保っているモミジ。外はシンシン雪が降り本堂の屋根を白く覆っている。訊いてみる、御簾越しに「香炉峰の雪はどんなだろうね」
さて、どうするか?思わずマスクの中で「ククク」と。

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