花菖蒲 余滴八話(オフ会・堀切菖蒲園)

酔美人

「言えばよかったただ好きですと
  飲んでくやしさますの酒」(山口まどか)

山口まどかさんという女性がどんな人なのか分からない。この都都逸、とても平成、令和の御代ではないような気がする。昭和の匂いが色濃く漂う。
都都逸は七・七・七・五の音数律を基本に江戸末期に名古屋から江戸に流れてきて都都逸坊扇歌という人が出て広めたという。寄席や座敷で唄われ、多くは男女の情愛を題材にしており情歌(春歌)ともいわれる。
以前、先輩からこんな話を聞いた。
「昔の辞書の最後の言葉は「をんな」だったけれど今の辞書にはなくなった。をんながいなくなっちゃった開高健が嘆いたと。
古語辞典によれば「成人した女性。妻、恋人である女性」とある。これだけでは面白みがない。都都逸に登場する女性は「をんな」 酔いながら。さてさて・・・。
「さしつさされつ杯交わし
  目元ほんのり酔美人(よいおんな)」
下戸の私の叶わぬ夢を自作の都都逸で。

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