良寛
いついつと
待ちにし人は
来たりけり
いまは相見て
何か思はむ
体が弱り横になっている良寛の思いは、貞心尼のことだけを。
いつ来るか、いつ来るかと待ちに待っている。
貞心尼がやって来た姿を見て、良寛は「思い残すことはない」と。
もう自身の命の終焉を感じていた。
「裏を見せ 表を見せて 散るもみじ」
苦楽、盛衰、悲喜…人生の終わりにどちらを迎えようと、
一人の人間が生き抜いた価値は変わらない。
ちょうど紅いもみじの美しさは
裏と表の双方があって成り立つように。
人の一生は繰り返せず、変わってもらえず、必ず終わりが来る。
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