「茣 蓙」の日記一覧

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宵闇の仄かな蒼に桜透く

 年寄の一つ年とる花見して    平畑静塔  年寄の腰や花見の迷子札   小林一茶  春雷や花見過たる町の空    篠原温亭  山びとの小昼菜めしや桜狩   角川源義  石垣を突いて廻しぬ花見船   綾部仁喜  妻知らぬ月日の中のさくら狩  能村登四郎  花の下茣蓙敷いて皆昼寝する   アロマ  岩手山に今年の桜見納めぬ  細見綾子  届きたる花見弁当あたたかし  高野素十…

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「桜の下でお昼寝」

     夢心地  その昔 桜の下でお昼寝をした  桜の美しい公園の木の下に茣蓙を敷き  各家庭がそれぞれに横になって  花を見上げるなり 目を閉じるなりして  茣蓙の上に微睡んでいた  あの年の桜は ことに美しかったと記憶している  桜の花のあわいに水色の空が透けて見えた  心地よい春の日差しに温められつつ 皆幸せだった  中一で十二歳の春だったと思う  桜の名所は なだら…

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海峡の向こうに揚がる大花火

 くりかへす花火あかりや屋根は江戸  敏雄  あまり強き黍の風やな遠花火  飯田蛇笏 霊芝  どこにでも坐れる砂丘花火見る  松本穣葉子  むらさきに暮れゆく島や花火待つ  本多 勝彦  アメリカの国歌に終る花火の宴  高木晴子 花 季  伊那七谷瑞々しきは夕花火  折井眞琴  北国の港花火のあがりけり  今井杏太郎  噴き上げしなりにひらきて大花火  西村和子 窓  埋め立…

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八月のジンジャーエール暑気払い

 みんみん鳴くゆふぐれ八月十五日  角川春樹  夕暮れて八月の風心地良し  アロマ  八月のある日がらんと山の駅  勝又星津女  八月の懐炉仕入れて飢饉年  八牧美喜子  八月の根室の宿の火桶かな  鈴木茯苓子  八月の桜落葉を掃けるかな  富安風生  八月の裏向いている卸金  森田智子  八月に残暑見舞いを認めて  アロマ  八月や売れても雑貨減らぬ店  田村了咲  八月や…