「大江健三郎」の日記一覧

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23年 新年 春 夏

春 2月 川沿ひの万葉の歌碑日脚伸ぶ 久女忌や天神様の梅ふふむ 登校の子らの足音犬ふぐり 非戦こそ大切なれと建国日 朝日子の煌めく川や二月尽 3月 啓蟄や世界野球盛り上がり マスクとて着脱自由花衣 反核の大江健三郎春逝けり 4月 入学の子の背に重きランドセル 心地よき公約の言(げん)花筏 ヨタへロ期めげずに生きろ名草の芽 5月 復元の炭焼き小屋や藤の花 山奥の馬頭観音躑躅燃ゆ 英国の戴冠式や…

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大江健三郎さんを偲んで(1860)

 大江健三郎さんが亡くなられたのは、2023年3月3日だったらしい。それを知ったのは、3月14日の朝刊においてだった。今日はすでに18日。報道されてからも、4日以上経っている。逝去後からはすでに半月。  内外の極めて多くの方々にとって、そうであったように、wakohにとってもショックだった。  死は、いずれかは訪れる。それは避けることのできない運命ではある。だが、前人未到の、卓越した、輝かし…

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『定義集』大江健三郎著 と「投稿家」

大江健三郎著『定義集』-朝日新聞出版-は、 新聞紙上に2006年〜2012年までの月1回、大江氏が掲載したエッセイをまとめた本だ。 「自分で定義することを企てる」の題は次のような内容。 「 〜その六年間、文字面からは落ち着いた女性に思える読者から、  毎月、不思議な記号つきの短評が寄せられました。  30/124。  〜私は中野重治の短編を読み返して、その独特さに引用しないではいられなかった。…

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タグにつられて読みにきたかた、すまねえね、ココはこういうトコなんでさ、悪く思わねえでくんな

 まんえんがんねんのおりんぴっく。  は? 「あのノーベル賞作家の小説? アンタそういうムズカシイモン読んでるの? 日記でバカやってっけど、じつは隠れインテリ?」ですって?  兄さん姐さん、ソレは「万延元年のフットボール」。アタシがいってんなあ、コレ。 「まん延元年のオリンピック」  そう。ことしは、まん延防止等重点措置がはじめて出た年だからね。ソレでこういってみたワケ。  この題名で…

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子の自殺

大江健三郎著「人生の親戚」。 まり恵さんの映画のタイトルを、 大江さんは、人生の親戚と訳した。 原語はスペイン語。 映画の舞台はメキシコ。 アズテックのピラミッドがある山のふもとの小さな村。 タイトルの意味は、 「血のつながった仲ではないが、 生きていく上で苦難をともにするうちに、 まさに親戚のようになった 真の友・仲間として、 インディオや混血の女たちが自分を受け入れてくれたと、 まり恵さ…

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人生の親戚

大江健三郎の本を読んでいる。 なにしろ量が多い。 全部は読み切れないだろう。 主な本に絞らざるをえない。 この方は、知識が豊富。 若い頃から、知識の吸収が生きがいようだ。 加藤周一さんのように博学。 例えば、性(セックス)についても詳しい。 たぶん、自分自身の悩みもあったのだろう。 性に関する小説も多い。 私も、人にとって、性は最大のテーマだと思っている。 性を抜きにしては、人生を語ること…

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分かる ということ

 今日も いい言葉に 出会った。  教わって 知る  それを 自分で 使えるようになって  分かる  そのように 深めるうちに  自力で 突破できるようになる  それが  悟る  と いうこと         大江 健三郎

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「私の読書」(大江健三郎と松本清張のだけ読む)面白い

「私の読書」 「図書」編集部編 1983年10月20日発行 ー「作家評伝を読む」 大江健三郎 外国を旅行したり滞在したりする際の楽しみは、その国なりその都市なりの個性に慣れて、カタログを見ても注文しそうにない本を買うことである。  フランクフルトの中央駅の、古書にあわせブッククラブ用の特性本を値引きして売っているスタンドで買った。  メキシコ・シテイに滞在していた僕が、オクタヴィオ・パスの時事的…

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大江健三郎著「芽むしり仔撃ち」を読む

「芽むしり仔撃ち」 大江健三郎著 新潮文庫 昭和40年5月31日発行 ー「国が降伏しさえすれば、俺は自由になる」 「俺も君たちも、まだ自由じゃない」と兵士はいった。「俺たちは閉じ込められている」 「村の外のことを考えるな、黙っていてくれ」と僕は怒りにかられていった。「俺たちはこの村の中でもできるんだ、外のあいつらのことをいうな」  兵士は黙りこみ、僕等も黙りこんでいた。  疫病は最後の花のように…