たそがれを香りで告げる夕化粧 山本涼 咲きつつも実をこぼしつぐ夕化粧 松崎鉄之介 銭湯の記憶幼なき夕化粧 岡本眸 夕化粧咲き出づる頃風立ちぬ 醍醐季世女 夕化粧仄かな揺れに郷愁を アロマ 夕化粧競つて匂ふ路地の闇 神崎あい 路地暮れて際立つ匂ひ夕化粧 大川暉美 椎の実を食べて子リスのふりをする 篠田純子 孫笑…
夏草に五月の雉子のたまごかな 飯田蛇笏 省庁の椅子やはらかき五月かな 影島智子 五月より六月にかけ満洲へ 京極杞陽 稜線の輝きませる五月かな 遠山 翠 童顔の警官五月の街に立つ 谷 和子 坂の上たそがれながき五月憂し 石田波郷 葉桜の中に金星あらはれて 岩田由美 金星を見る宵の空群青に アロマ 葉桜の…
最近は台風の影響で雨降りが続き、釣りにも川下りにも行けずじまい。 やっと昨日になって、久しぶりの青空が広がった。 昼食には嫁さんが焼いたパンが食卓に並んだ。 彼女は気が向くとオーブンを使って、パンを焼いてくれるのだが、ここ何年間は近所の保育園に朝だけのアルバイトに行っていたこともあって、ご無沙汰が続いていた。 昨日はしばらくぶりの焼きたてのフランスパンにありつけた。 現金なもので、…
麦秋を走つても走つてもひとり 竹貫示虹 麦秋や女は家で飯を炊く 久永つう 麦秋へ突つ込んでゆくハイウエイ 上谷昌憲 麦秋の道来てフランスパンを買ふ 江木紀子 麦秋に碧いサンダル散歩道 アロマ 麦秋やみな屋号ある村の家 鈴木多枝子 麦秋や北の大地はゴッホ色 池本喜久恵 麦秋や列車も軽き音のこし 泉田秋硯 麦秋の昼餉香ばし味噌結び …
花菖蒲フランスパンを太刀持ちす 丸井巴水 いにしへの風はこの色花菖蒲 笹村政子 花菖蒲神宮の池を経巡りて アロマ 花菖蒲水のやうなる風の音 笹村政子 濃むらさき濡れて立ちをり花菖蒲 吉澤恵美子 城山の影の被さる花菖蒲 藤原明美 水音の小刻み瑠璃の花菖蒲 森清信子 紫のひと色ならず花菖蒲 山田閏子 花菖蒲 小雨の中に美しく アロマ…
春夕焼音立て噛るフランスパン 宮津昭彦 春夕焼指の先まで染めにけり 熊谷みどり 露天の湯春夕焼けに首一つ 松村富子 春夕焼け長閑鳥が飛んでいく アロマ 春夕焼サーファー黒く上がり来る 大串章 春夕焼男ひとりが干物焼く 八木柊一郎 春夕焼山際淡く黄金めき アロマ 本閉ぢて春夕焼の窓開くる 加藤京子 鬼遊びの一人づつ抜け春夕焼 中田…