歳月といふ涼風のやうなもの 稲畑汀子 一陣の涼風過ぐる石舞台 加藤峰子 涼風のごとく幼のこんにちは 石川元子 欅並木に涼風の一直線 久染康子 真昼の涼風庭の四阿に アロマ 涼風や我が身すつぽり湖となる 近藤喜子 路地抜くる涼風遠き日の匂 佐伯星子 涼風や野道歩きて花を摘む 田島昭久 涼風や浜辺の松を戦がせて アロ…
雨降って霜のなごりもなかりけり 稲畑汀子 強霜や糀のはなが立ちあがる 鈴木庸子 秩父より届く霜被し若菜籠 小林俊彦 大霜や星の触れあふ音すなり 新開一哉 「モイスチャーフロスト」という口紅 アロマ 霜敷きを惜しみつ使ふ菜洗場 能村研三 庭木剪って木の香の顕ちし霜日和 熊岡俊子 手で拭ふ霜夜の窓や流れ星 平しげる …