震災忌谷中銀座のメンチカツ 野村昌代 筒袖の己れ五歳や震災忌 松崎鉄之介 里山に津波の碑あり震災忌 武政礼子 銭湯にハーブ湯あふれ震災忌 磯海具子 水澄みて盆地の町の暮れ早し 林田加杜子 城下町めぐる堀川水澄めり 木村敦子 笛の音の水澄むやうに夜半の秋 的池遙 水澄んで泥鰌は泥の色のまま 大木茂 灯の消えて山の厨房水…
あるときの鮎は銀河を食むことも 正岡 豊 いたどりの花活けてあり鮎料理 北川まどか いちにちは雨に遊びて鮎料理 小島健 木の実 かかりたる鮎と流れをさかのぼる 鈴木とおる うつくしき鮎の青串高麗の竹 山口青邨 ならべられつつ口動く鮎を買ふ 阿波野青畝 こぼるゝもありて鮎苗運ばるゝ 森田峠 避暑散歩 ところ~瀬の変りたる鮎の川 高浜虚子 とび…
鮎落ちて瀬音やさしくなりにけり 柴田志津子 鮎落ちて瀬音高まる日暮かな 山﨑刀水 今生に鮎の落ちゆく日々つづく 西川織子 鮎落ちてしまへば杣も来ぬ簗辺 三村純也 落ち鮎美味し大皿に盛る アロマ 洛中をひたすら鮎の落ちゆくも 北川英子 落鮎に川音高き夕べかな 稲畑汀子 落鮎の竹串青く焼かれけり 島玲子 落鮎や錦帯橋に小糠雨 笹村…
ヴィオロンの佳境に酔ひし夜の秋 岡谷栄子 追ひこさぬやうに後ゆく夜の秋 垣岡暎子 火星 灯のならぶ遠くの橋や夜の秋 白石正躬 幼子の寝息やさしく夜の秋 本多慶子 背をむずと山気がつかむ夜の秋 布川直幸 夜の秋眠れそうで眠れない アロマ 角打ちの枡酒旨し夜の秋 能村研三 三井寺の鐘の音色も夜の秋 稲畑廣太郎 恵まれし家族の絆夜の秋…