長野県辰野町で起きている移入ホタル問題
長野県辰野町松尾峡は,古くからホタルの名所として有名です。長野県天然記念物のホタル生息地でもあります。
しかし1960年代に、多数のゲンジが,他県の業者などからの購入や譲渡によって移入放流され、その養殖によって,今の集団が築かれました。単純に,保護活動の結果回復,ではありません。
最近の研究で,ここでは他県産ゲンジが地元ゲンジを圧倒し,地元産は壊滅的な打撃を受けたことが明らかとなりました。生物多様性,すなわち,地域固有生物の保全に悪影響を与えているのです。悲劇的という意味で,考えさせられます。この悪影響は,すでに国際的な生物多様性保護雑誌にも掲載されています。
両者は遺伝的にも発光周期も異なっています。この影響は放流が無かった下流まで及んでいます。つまり、地元産ゲンジが子孫を残しにくくなっているのです。
観光の方々も,多数のホタルを見て楽しむだけでなく,観光優先のホタル飼育の結果起きている問題にも目を向けて下さい。
数は少なくとも地元に本来生息するホタルを愛する気持ちも持ってほしい。
観光の方々,とくに都会の方々,どう思われますか?
なお、kumageraのブログ
http://blogs.yahoo.co.jp/kumagera2009
に詳細を書きました。
ペンネーム:質問者 (匿名希望)さん
私も鳥の専門家ではないので、詳細は分かりません。日本産が残っていれば、その利用が望ましいでしょう。
しかし、日中トキの間で、生態や行動が異なるという話は聞いていません。
ゲンジの場合は、地域間で発光周期や産卵行動が異なることが分かってますし、遺伝的には亜種レベルではないかと考える研究者もいます。
>国連レベルで論議して制度化
すでに、1992年、国連環境開発会議で生物多様性条約Convention on Biological Diversityが示され、1993年に日本も受諾しています。
その第二条に、種内変異(遺伝子レベル変異)も保護対象に含まれることが規定されています。
この条約を受けて、国内でも、生物多様性基本法が、平成20年6月6日に生物多様性基本法が公布、施行。その第二条でやはり、種内変異も保護対象に含まれることが規定されています。
本年、名古屋で、生物多様性条約第10回目締約国会議(COP10)が開催されます。その公式サイトでも、遺伝子の多様性の保護を強調しています。
http://www.cop10.jp/aichi-nagoya/cop/bio.html