デジタル情報Aが、誤った情報Bに変化することは、必ず起こります。
したがって、言葉としてはともかく「劣化」は必ず発生します。
元のデジタル情報Aを、空間的・時間的に保存・伝送し、読み取るときに、別な誤った情報Bに変わることを完全に防ぐことはできません。
冗長度を高めることにより、現実社会で問題無い程度に、誤った情報が流れていく確率を小さくする技術は確立されており、日常的には十分な信頼性が確保されています。
そのために、デジタル情報は変化せずに安全と思いこむ人が多くいます。
ちょっと詳しく言うと、
伝送(空間的な情報伝達)、保管(時間的な情報伝達)いずれの場合でも、エラーが発生する可能性があります。
どの段階でも「01」を「11」と認識する誤りを完全に防ぐいかなる手段もありません。
たとえば、情報「01」を何らかの媒体に書き込むときに「11」と書き込んでしまう誤り。
たとえば、何らかの媒体に書き込まれた情報「01」を読み取るときに「11」と読み取ってしまう誤り。
同様に、「01」と送信し「10」と受診する誤り、「01」と書き込んだ媒体中で「11」に変化してしまう誤り...。
このような誤りの確率を0にすることは不可能です。
そのために、情報「01」に誤り検出・訂正用の余分な情報を付加し「0110」のようにして送信・記録します。
この余分な情報の付加を、冗長度を高めると言います。
聞いたことがあると思いますが、パリティチェックなどのことです。
これによって、伝送・記録中に誤りがあっても、一定の範囲内であれば、自動的に訂正、あるいは、検出します。
冗長度によって、たとえば「2誤り訂正、3誤り検出」などができます。
これは、ある情報ブロック内で、2ビットまでの誤りは自動的に訂正して何事もなく処理を続行する。3ビットの誤りがあれば、訂正はできないが、誤りがあったことを検出して、停止等のエラー処理を行う。4ビット以上の誤りは検出できずにそのまま間違った情報が流れていく、というようなものです。
冗長度を高める、つまり余分な情報をひたすら多く付加することで、誤りの確率を限りなく小さくすることはできますが、0にはなりません。
情報理論(数学)の基本中の基本概念です。
現実のシステムでは、冗長度を高めるコストと誤りの深刻さを適度なところで線引きして折り合いをつけています。
=== 余談 =======
あの...こう言っては申しわけありませんが、現時点までの他の方々の回答は、全員間違っています...。
情報科学を学んだのではなく、通俗的な雑誌や一般誌からの耳学問だと思います。
ryuumonさん
「0,1の曖昧な領域が経年と共に積み重なり」ません。
量子化は、元情報をデジタル化する際の概念で本件とは無関係。
「エラー訂正機構」は上記の通り「曖昧なもの」ではなく、「定義された明確な誤り」を訂正する数学の手法です。
「無圧縮」はデジタル情報の作り方の手法の概念で本件とは全く無関係。
どのような保存媒体であっても情報の誤りを防ぐことは不可能です。
Chichaさん
としちゃんさん
上記に説明させていただいたように「劣化」(情報の誤り)はあります。
情報の誤りは数学的な概念であり、CD、DVD等、具体的な媒体の性質とは無関係です。
ペンネーム:質問者 (匿名希望)さん
皆さん、ご丁寧に教えていただけてよく理解する事が出来ました。