地方自治の一般理念〜自治の要素

地方自治の定義は、文字数の制限で説明不可能ですので、いろいろ専門書がありますのでお調べ頂ければと思います。

そこで、その観念を考えてみたいと思います。

観念として、通常「住民自治」と「団体自治」の二つの要素より成るといわれてます。住民自治とは、地方行政を中央政府の干渉を排してその地方の住民の意思で自主的に処理させることです。
政治的意義における自治といいます。
これに対し、団体自治とは、国から独立した法人格をもつ地域団体を設置し、この地域団体をして地方行政にあたらせることです。
法律的意義における自治といいます。

住民自治の実現には、国から独立した団体を設け、地域が一体となって地方行政に取り組む必要があります。
団体自治は、その意味でいわば住民自治を実現する不可欠の手段であるといえます。だが、団体自治が認められれば、当然に地方自治が完成されるわけではありません。
国から独立した地域団体が存在しても、地域団体の政治や行政に関する意思形成について住民の参画が不十分であれば、住民のための地方行政の実現を望むことはできません。地方自治にとって住民自治と団体自治は、いわば車の両輪であるとみなければならない。
この二つの要素がかねそなわったとき、はじめて地方自治は完全な姿となり、「地方自治の本旨」（憲法92 条）が実現されることになるのです。