親子での 心の処理の仕方

私の育った家庭は、貧しくて父親は町工場で夜遅くまで仕事。母親は内職に精を出して、子供のことには構いませんでした。親の貧乏を見ているので、あれ買ってこれ買ってと言えませんでした。貧しいながらも肩寄せ合って暮していました。今の世の中は欲しい物だらけ、やりたいことだらけで、欲求を全て満足はさせられません。イライラがつのっていて衝突します。親子間の距離を置くことも必要です。

親子関係、兄弟関係とも、人と人ですから、血縁関係にあっても衝突する事はあると思います。ちょっとした思い違いや、言ってはいけない事を言って相手を傷つけたりして仲たがいをする事もあるかと思います。その溝が小さいうちに対処するか、意地の張り合いになって長引かせるかは、親子・血縁関係だけではなく、仲たがいのほとんどに言える事だと思います。

自身も、両親と同居、そこに嫁を迎えたので、いろいろ衝突・誤解・軋轢などありました。大した問題でもないのに、グダグダ言ってるのを聞くのが嫌で、ウルサイ！と怒鳴れば、貯め込んでるストレスが堰を切って出てきて大喧嘩になります。そんな時、誰ともなく黙り込み、距離を置くようになり、喧嘩は沈静化に向かいました。

また、たった一人の姉とも、言葉の行き違いから疎遠になった事もありました。その時は、怒り心頭で冷静に考えられなくて、ついつい身内だから酷い事を言ってしまうものです。自制が利かなくなってしまうものは、身内だからと言う甘えにあるのでしょう。この時も、冷静になって思い返してみると、些細な言葉の行き違いである事に気づきました。

人は、親子、兄弟ばかりでなく、多くの人々と一緒に暮らしています。その中にあって、自分の思い通りに行くものではなく、必ず正反対の意見や考えを持つ方がいます。それを反り合わないと毛嫌いし、挙句に喧嘩となっては、社会全体が乱れます。当の本人も、そんな事にイライラしては楽しいはずがありません。

人と上手くやって行こうと思うのなら、自分が悪くないと思っても、自分から矛先を納める事が出来れば、争いなど起きません。まして親子なら、お互いが上手くやって行こうと思うのは当たり前ではないでしょうか。それを自分から手を差し延べないで、相手ばかりを批判しては収拾できるわけがありません。親子・兄弟と争いを続けて、何か得になることがありますか？あったらお教え願いたいものです。

親にしろ子にしろ、親離れ、子離れできない、できてない人間が増えたね。

やたら子供に関わる、関わりたい親が増えている。
やたら親に関わる、関わりたい子が増えている。

親も子も、互いに鬱陶しいと思いながらも関わり合いながら、醜い親子喧嘩でパトカーが駆けつける。
口喧嘩、素手での喧嘩ならまだいいが・・・・
ニュースに良く取り上げられるような事件になる。
挙句の果てに親が子を刃物で殺し、子が親を絞め殺す。

拙宅何ざ、親父が家具職人で、住み込み職人が１０人、通いの職人が５人、親父は夜遅くまで仕事仕事・・・・・
母は女中２人雇っても、ガスレンジも炊飯器もない竈で調理する時代、朝早く４時ごろから住み込み職人１０人と家族７人の朝食の支度、朝食の後片付けが済むと昼食の支度、その後片付けが済むと、女中二人を連れて夕食と翌日朝･昼の買い物に行って、かえると夕食の支度と、夜なべ（残業）があれば夜食の支度、我々子供は自分の子と自分でやらないと誰もやってくれない。

親父なんざ、高校に行きたい？学校で勉強したって碌なもんになれない！どっか修業に行って手に職をつけろ！
母親は黙って授業料を渡してくれて・・・・・父さんはどうせお前達のこと見てへんから・・・・・
たまに親父が酒に酔って「誰がお前達を育ててやったのか、育ててもらった恩を忘れやがって」・・・・・と怒鳴り散らすと
お飯（おまんま）食わしてもらった恩は忘れてへんけど、育ててもらった覚えはないワイ！と大喧嘩！

でも、父が長患いして、母が延命措置を断っているのを聞いて、かあちゃん、みんなで金出し合うから・・・・・足らなかったら借金して金作るから、息してる間は見守ってやろうよ！って・・・・・

一週間後、みんな集まっているとカッツと目を開いて「みんなありがとうな！苦労かけたな！」って永い眠りに就いた。、
お飯食わせてもらった恩は忘れないけど、育ててもらった恩はない父に負けまいと、自分の進む道は自分で決め、たまに帰るときには父には好きな酒、母にはケーキを持って帰り、孫ができたら酒やめると言いながら、孫を連れて行くと「お祝いだ！酒持って来い！」

お互い平穏無事の普段は不干渉、「便りのないのは言い便り！」
一朝大事発生時は、取る物も取らず、とりあえず駆けつけるが親子の情、なり。

「親子だから〜」、というのは綺麗ごとです。
真剣に言うのであれば、無知な人です。
関わりたくないから、
周囲の人が一言で終らせるために言うだけです。

人間同士なのですから、合わない人もいるのです。
仲よくしなければいけない、判りあわないといけない、
な〜んてことをやめれば楽ですよ。
無理するからこじれて、酷いと事件になる。
仲よくしなければならないことや、
判りあわなければならない必要性がないのであれば、
距離を置けばいいのです。

今までの経緯などを知りもしないで、
親子なんだから、仲よくしなさい、赦してあげなさいと、
説教して、自分の良い人アピールをする人は無視しましょう。
無責任な人です。その人の自己満足に付き合う必要はありません。

ちなみに、私の父は、子供の事を思っていると口で言うけれど、
昔から自己中で、家族のことなど全く思っていません。
「そんなことあるわけないよ！」と言う人がいますが、
愛のある家庭に育っているから、想像できないだけです。

児童福祉に関わっていたことありますが、
ある程度知識を持っていても、
想像を超えた酷い家庭環境の子供がいます。
とてもじゃないけれど、
親子だから〜と言える状況ではありません。

親でしたら、親の成育環境を知ることで、
少しは親の言動の訳が理解できるかもしれません。