山歩き心術―8【時休時促】その1

世に、自給自足って言葉がある。
自給自足は、山歩きにも通じる。だが、水を背負い、
多い目の食べ物を非常食だと、余分に背負う。
もう少し見方を変えれば、登るって行為を考えると
別な【時休時促】な気がしてならない。

山歩きって、シンドイ、エライ。
登っている時、また『来てシマッタ』、と悔いる。
二度と来るものか、と、以前にも思ったことが、
またもや、よみがえる。忘れっぽいのだ。
ところが、家に帰ると、ケロッと忘れ、また山に還りたくなる。
快い疲れが解けると、本当に忘れっぽい。
高齢の山歩き特有な、都合の良い健忘症かと、思える。

時に休み、時に己を催促して