稲の花

8月の下旬に近づくと水田の稲に花が咲き始める。
初夏に植えられた早苗は太陽の恵みを得て、大きく生育し、8月下旬頃からその花を開く。青籾ひとつひとつが別々に咲くという。舟形の籾の中に1本の雌蕊と6本の雄蕊がある。その籾の上部が割れ、静かに開き始めると、雄蕊は急に上に伸び、花粉袋が裂ける。それを純白の羽毛のような雌蕊が受ける。これが受粉である。花粉の寿命はわずか2~3分だという。炎暑の正午に近い3時間ほどのドラマである。
稲は、花粉が風に飛ばされて受粉が行われる風媒花である。この数分ほどのタイミングでほど良い風が吹いて受粉して初めて実が実ることになる。
お百